きんぼしの無化調についての考え方


先日お客様からホームページに創業以来うま味調味料(旧呼称 化学調味料)不使用(略称 無化調)と書いてありますがどういう考えで続けているのですかという質問を受けました。この理由を改めて聞かれてちゃんとした受け答えが出来なかったので、32年間何を考えてやってきたのか言葉にしてみました。

 

甘味、酸味など基本味の一つであるである「うま味」はおいしさを構成するとても重要な要素です。うま味物質のグルタミン酸は昆布、イノシン酸は鰹節に多く含まれています。日本のうま味の中心は昆布、鰹がベースとなっています。

うま味調味料は、うま味を補うとともに、料理のおいしさに陰ながら大きく貢献しています。体に悪いものという証明もされていません。庶民的な店や高級店の区別なく世界中のほとんどの飲食店やまたご家庭でも普通に使われています。

 

ではなぜきんぼしが不使用にこだわっているのかというと

『うま味調理料はそれだけで美味しくなり過ぎる感じがしています。料理人として簡単過ぎます。』世の中にはこれを使用するとクセになるくらい美味しくなるものもあります。

そもそも日本人が発明とされるうま味調味料のグルタミン酸はさとうきびのでんぷん質を発酵させて作られます。ここのところが引っ掛かっています。サトウキビも自然のものですが、本来の食材に入っているグルタミン酸を使っていない点です。

 

きんぼしでは知恵と手間で本来それらが多く含まれている素材の昆布や鰹節などを使って丁度いいうまみを出したい。その想いからです。

『牛肉の倍以上のイノシン酸を含む鶏肉に昆布鰹だしから作った自家製塩を振り、炭の香りをほのかに付けて焼き上げた熱々の串が一番喜んでいただけると考えているからです。』

今、醤油など原材料となる加工食品の多くにもアミノ酸含む調味料としてうま味調味料が入っており選択が困難になってきていますが、今後もできる限り美味しくなり過ぎない自然本来の原料の調味料で手間ひまかけた美味しさを追求していきたいと思っています。

    2025/1/8 株式会社きんぼし 代表取締役 田中裕二